連載コラム「わかりやすく書く」
~長い修飾語は前に出す~
複数の修飾語が1つの被修飾語にかかっている場合、修飾語の順番によってわかりやすくなったり、
わかりにくくなったりします。修飾語の順番にはどんなポイントがあるか、見てみましょう。
-
ミケさん!
会議の議事録を書いたんだ。
メールで送信する前に、わかりやすく書けているか確認しているところだよ。いい心がけだね。
他の人が書いたものだと思って、読み返してごらん。あれ、「アクションアイテム」の「説明書」のあたりがしっくりこないなぁ…。
第2回こたつ会議 議事録
…
■アクションアイテム
・見やすい初心者がパソコンをマスターするための説明書を作る。
・フルカラー印刷やスキャンができる先月購入したプリンタを設定する。
…文章のわかりやすさのアンテナが働くようになったみたいだね。
今回もポイントは「修飾語の位置」だよ。じゃあ、「説明書」を修飾している言葉の順番を入れ替えてみよう。
「初心者がパソコンをマスターするための見やすい説明書」…。
このほうがすっと頭に入ってくるね!そうそう。
長い修飾語を前に、短い修飾語をうしろに置くと、わかりやすくなるんだよ。そうすると、2つ目の箇条書きは、「フルカラー印刷やスキャンができる」のほうが
「先月購入した」より長いから、このままでいいんだよね?長い修飾語を先に、という原則もあるけど、時をあらわす修飾語が
あるときは、それを前に出すほうがいいんだよ。まだあったの~!
やっとコツがつかめたと思ったのに~。まあまあ、焦らないで。
で、どんなふうに変えるといいかな?「先月購入した、フルカラー印刷やスキャンができるプリンタを設定する。」
これですっきりしたね。今回のポイントは2つ。
・長い修飾語を先に、短い修飾語をあとに
・時をあらわす修飾語は先にとっても参考になったよ。
ありがとう、ミケさん。
予告
次回は「長い文章をわかりやすくする方法」についてお伝えします。[3月9日掲載予定]
プロフィール
トラわかりやすい文章の書き方を勉強中。
日本語って難しい・・・と思う今日この頃。
ミケマニュアル制作を担当して10年目。
文章を書くのはお手のもの。
モグトラちゃんとミケさんの会話をこっそり
聞くのがひそかな楽しみ。
勘違いしやすい性格。